マイクロプラスチックによる海洋汚染って?

マイクロプラスチックによる海洋汚染

今、世界中でマイクロプラスチックによる海洋汚染が問題になっています。最近日本でも、テレビや新聞などのメディアでも報道され出したので、耳にしたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

マイクロプラスチックって何?

そもそも「マイクロプラスチック」って何なのか?というと、大きさが5 mmより小さなプラスチック片と定義されるそう。

そして、製造された時点ですでに5mm以下のプラスチックは1次マイクロプラスチック、劣化する過程で小さくバラバラになったものは2次マイクロプラスチックと呼ばれています。

今、世界中の海には5兆個以上のマイクロプラスチックが漂っていると言われています。規模が大き過ぎて、正直イメージが沸きにくいのですが、様々な海洋生物の体内からマイクロプラスチックが検出されていて、さらにその海洋生物を食べる人間の体の中からもマイクロプラスチックが発見されるレベルの汚染というと問題の大きさが分かりやすいかもしれません。

深海魚の体内からも検出されているので、すでに世界中の海に散らばってしまっているんだと思います。

ちなみに
世界中の食塩からもマイクロプラスチックが・・・

ビックリ!塩からも検出されたマイクロプラスチック ビックリ!塩からも検出されたマイクロプラスチック

最近、特に話題になってきた問題ということもあり、人間がマイクロプラスチックを食べてしまった際の影響がどれだけあるのか、明確には分かっていない状態なのですが、プラスチック製品を製造する段階で様々な化学物質が添加されていたり、プラスチック自体が海に漂っている時に近くを漂っている化学物質を吸着しやすいという性質があるので、将来的に体の中に取り入れ過ぎた時、何かしらの影響が出てくる可能性があるんじゃないかという懸念はあります。

マイクロプラスチックの発生源は?

そんなマイクロプラスチックの発生源というと、プラ製の使い捨てストローやレジ袋、ペットボトルなどが一番有名なのではないでしょうか。

例えば、レジ袋が道端に捨てられると、それが風によって飛ばされ、川に流れ、海に流出します。そして、海を漂っているうちに日光の影響や、周りの浮遊物とぶつかることで粉砕され、マイクロプラスチックになってしまっているというとイメージしやすいかもしれません。

こういったことがあり、世界中で使い捨てストローの使用を止めたり、レジ袋もできる限り使わないようにしていこうという方向になってきているのですが、実はマイクロプラスチックの発生源は、これら以外にもあるんです。

農業で使うビニールマルチや、食器を洗う時のアクリルタワシもそうですし、化学繊維を使った衣類を洗濯する際にもマイクロファイバーと呼ばれるプラスチックゴミが発生しています。車のタイヤが摩耗しても発生しますし、洗顔料や歯磨き粉に含まれているマイクロビーズも発生源のひとつになります。

改めて意識をして周囲を見回してみると、本当にプラスチック製品が溢れていることに気付くのではないでしょうか。

このままのペースでマイクロプラスチックの海洋流出が続くと、2050年には、重量ベースで海にいる魚より、プラスチックの量が多くなってしまうとも言われているので、一人一人がちょっとでもできることをやっていくことが大切になってくると思います。

参考 マイクロプラスチック問題~2050年には魚と海洋ごみが同じ重量にgrape

私たちができるマイクロプラスチック対策

規模が大き過ぎる問題ではあるのですが、すぐに私たちが生活に取り入れられる対策も色々とあり、例えば、飲み物にプラ製のストローは使わない、レジ袋を使う頻度を1回でも減らす、といったことだけでも、積み重なれば大きな対策になるのではないでしょうか。

また、一度海に流出してしまったマイクロプラスチックを全て回収するのは、今のところ不可能だと言われていますので、これ以上増やさないためにも、やっぱりリサイクルは大事だなと改めて思うところです。

こういったマイクロプラスチックによる海洋汚染の問題が取り上げられ始めてから、世界中で様々な代替品が作られています。例えば、米を原料に作った食べられるストローや、木製のストロー、ジャガイモやコーン、バナナなどを主原料として作られた、自然に100%還るレジ袋などがあったりします。個人的には、米から作った食べられるストローを使ってみたいなと思ったり。バンブーストローといって、竹から作った繰り返し使えるストローも面白そうでした。そのうち、マイ箸ならぬ、マイストローが流行る時期が来るのでしょうか。

未来の海をプラスチックまみれにしてはいけないので、ちょっとしたことでも、できることをやっていきたいですね