私たちが毎日飲んでいる「水」
人間の体は、胎児で体重の約90パーセント、新生児:約75%、子ども:約70%、成人:約60~65%、老人:50~55%が水で満たされていると言われていますね。
そんな水ですが、水には「硬度」という基準があります。
これは水に含まれる「カルシウムイオン」と「マグネシウムイオン」の量を表した数値なのですが、この硬度の違いによって「硬水」「軟水」とに分けられます。
この硬水と軟水の違いは、簡単にいうと、ミネラル分が多いのが「硬水」、少ないのが「軟水」といった感じです。
具体的に数値で書くと、
水1000ml中に溶けているカルシウムとマグネシウムの量を表わした数値が「硬度」で、
WHO(世界保健機関)の基準では、硬度が120mg/l以下を「軟水」、120mg/l以上を「硬水」といいます。
また、一般的には、硬度0~100mg/lが「軟水」、101~300mg/lが「中硬水」、301mg/l以上が「硬水」に分けられるそうです。
雨が降った時の雨水や雪解け水が、川や地下水となって流れていく過程で、周囲の地層のミネラル分が溶け込むことによって、そこの水の硬度が変わってくるのですが、日本の水はほとんどが軟水で、ヨーロッパなどは硬水が多かったりします。
この硬度の違いで飲みやすさも変わってくるのですが、それ以外に何が起きるかというと、料理をするときの「出汁」に影響が。
硬水はミネラル分が多いという性質上、食材の灰汁を出しやすく、肉などの臭いを取り除いてくれるというメリットがあるのですが、昆布などで出汁を採ろうとするとミネラル分が邪魔をして、逆に上手く「うま味」を取り出すことができず、昆布臭さが出てしまうそうです。
海外に比べ、日本で「出汁」の文化が発展したのには、こういった影響もあるんですね。
実際に硬水で出汁を取ったことがないので、試してみたい気もします。